三角 泰利 の日記
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天皇顕彰と神政復興を望むインディアン②
2019.12.27
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アメリカで言霊教育の中心となるべき重要なセンターが「マガ(禍)」を採用していたのでは、言霊の正しい力が働くことができないと感じたわたしは、たった一人ででも正しい言霊で神に世界平和の祈りを捧げようと決意した。そして翌日、中園先生の家を後にしたわたしは、一人で祈りを捧げるためロッキーの山に向かった。だからそのときは、そこで思いもかけない約束を、思いもかけない相手とすることになるとは夢にも思わなかったのである。
ニューメキシコ州サンタフェ、ロッキー山中の広い場所を選び「ムウアヤワタカマナハラナヤサワ」と正しい言霊で世界平和を祈っていたときである。なんとわたしの脳裏にインディアンの先祖と名乗る霊が語りかけてきたのだ。「我ら一同日本の神政復興に馳せ参じたい。語りたくても語り尽くせぬこの思い。汝らは世界平和を祈るけれど。我々を祭らずしてなぜに世界平和がくるのぞ。このロッキーに5色人の真の祭り場を作ってほしい。汝は約束を果たすと思うから、汝の家系を調べたうえの頼みであるぞ」
『竹内文書』を研究していたわたしには、彼らが日本から派遣されインディアンの祖先となった天皇ゆかりの方々であることがすぐにわかった。彼らの言った「いろひと」=5色人という言葉がそれを物語っていた。5色人とは『竹内文書』にある超古代の人類の総称である。これは人類を肌の色にちなみ、5色(白・黄・赤・青・黒)人と称したことに基づいている。
つまり、彼らは、天皇の存在が世界の人々に忘れられていることを嘆き、神政復興に力を尽くしたいと申し出たのだった。超古代、理想的な平和社会を実現させた「神政」、つまり天皇による世界統治こそが、人間が世界平和をなしうる唯一の方法なのである。
そこでわたしはしばし考えたすえ、次のように答えた。
「日の本に真の5色人の祭り場なくして、なぜにロッキーに真の祭り場ができましょう。必ずや日の本に真の祭り場を作りますので、それまでいましばらくお持ちいただきたい」
そう言った後、真の言霊で再び太陽・月・地球を一つに貫く祈りを捧げ、大地に頭を垂れ、その場の小石を拾い上げ、
「その御心を日本までお連れ致しますので、どうぞこの石にお鎮まりください」と申し上げた。インディアンの祖先霊はわたしの申し出を喜び、御霊をロッキーの石に鎮められた。数えてみるとインディアンの祖霊を宿した遺志は36個に達していた。
その後わたしたちは「キバ」と呼ばれるインディアンの祈りの場を訪ねた。キバは地下にあるためハシゴで出入りする。中には照明器具はなく、外界の音からも光からも遮断された祈りのための空間である。わたしはその中で古代インディアンに思いを馳せた。
ところが、キバから出て来たわたしに異変が起きた。どうしたことか突然口から和歌が出たのである。それまでは和歌など詠んだこともないし、自分でも何を言いたいのか分からないにもかかわらず、よどみなく和歌が朗々と出てくるのである。
「あまつかみ わすれじたかみね くもはらし たいこのひびき あまつかなでん」
その後は移動中のバスの中でも次から次と口から和歌が飛び出し、なぜアメリカのこんなところでふだん詠んだこともない和歌が出るのだろうと不思議で仕方なかった。今にして思えばこの和歌は、インディアンの祖霊が詠んだものだったのだろう。
こうしてわたしはインディアンの御霊石を持って、日本へと戻ることになったのである。