三角 泰利 の日記
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王仁三郎の皇道経済③ 租税制度撤廃
2019.12.21
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政治にはもう一つ別の起源をもったものがある。それは、一民族が他の民族を武力をもって侵略し、征服国家を建設したような場合の政治である。この場合、征服者は支配者として一つの階級をつくり、それが職業化してくる。職業化した支配階級は、彼らの支配を永久化するために権力構造を組織し、これを維持するために、被征服者を経済的に搾取する。
その形態の一つが租税制度である。非生産的な武断的征服者が権力階級となり、被征服者は権力をもたない被支配階級を経済的に搾取するが、さらにその権力をもって、その統制支配をますます強化していく。征服国家の権力構造を解体する唯一の道は、租税制度を撤廃することである。このような権力構造が存在する限り、租税負担はいよいよ増大し、共同体社会の経済的貧困は一層深刻化する。
租税徴収は実に蛮制の遺風であって又金銀為本を以って富国の要目となし、生存競争を以って最終の目的とする大個人主義である。古往今来、世は治乱興廃を反復して極まりなき所以は人文蒙昧にして弱肉・強食を以って人生の本能と誤信し、遂に経済的占有割拠の蛮制度を定め以って国家の経綸は租税制度を以って唯一の政治的基礎と信じたるが故である。故に、租税徴収の悪制を根本より廃絶することが斉世安民の皇道経済を施行する経綸の第一歩である。
久保修氏は「租税制度を撤廃せよとは、征服国家(日本の場合、いわゆる神武天皇によって建てられた国家)の権力構造を解体せよという内意をもっている」と述べている。