三角 泰利 の日記
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新しい社会は、どんな社会となるか
2019.12.12
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3つの角度から新しい社会の特徴をみる
第一の角度:人間の生活のあり方が根本から変わる。
①生産手段が社会のものになれば
②労働の性格が根本から変化することです。
③労働する能力のある社会のすべての成員が、生産活動および社会維持に必要な公務を分担するという社会的な変化から、生産活動に参加する人員の規模が画期的に大きくなり、労働時間を抜本的に短縮することができるようになります。
第2の角度:生産活動のあり方が根本的に変化する。
第3の角度:経済の新たな飛躍的発展の時代が始まる。
『資本論』のなかの未来社会論
マルクスは、これまでの研究成果に基礎を置きながら、新しい未来社会論を展開しました。それが「自由の国」と「必然の国」との相互関係で捉えるところにありました。
人間の生活時間を、2つの部分に区分します。
①一つは、物質的生産に従事する時間です。マルクスは、この時間を「必然性の国」と名付けました。
マルクスの言う「自由の国」は、その領域外にあります。
②「自由の国は、事実,窮迫と外的な目的への適合性とによって規定される労働が存在しなくなるところで、始める」
「この国の彼岸において、それ自体が目的であるとされる人間の力の発達が、真の自由の国が…といっても、それはただ、自己の基礎としての右の必然性の国の上にのみ開花しうるのであるが…始まる。労働日の短縮が根本条件である」
この関係は、階級社会で見る、上部構造と経済的土台の関係に似ているところがあります。資本主義社会では、利潤第一主義が発展の原動力ですから、発展の推進力は経済的土台にあります。しかし、未来社会では、「自由の国」での人間の能力の発達が、物質的生産の領域、「必然の国」に作用して、生産力の新たな発展を引き起こすのです。社会発展の原動力が、「自由の国」、いわば上部構造に移る、それは、人類の歴史の大転換だと言っても良いでしょう。